いうまでもありませんが、二胡は弦の琴皮に対する、縦方向の力が、駒を通して琴皮に伝えられています。 一方で、バイオリンは、弦の横方向の力が、駒によって縦方向の力に変換されて本体の板に伝えられています。
横方向の力が縦方向に変換する、仕組みが既にバイオリンでは実現されているのです。
じゃあ、二胡だって、捨てている横方向の力を活かす方法があるに違いない、 と思ってます。
ただ、元々縦を縦で伝えている駒に、横-縦変換機能を組み込めるのか?
これを考えてみます。
弦を乗せる溝を深く切って、弦の横方向の力が駒にかかるようにすると、
下図のように、駒底面のコーナを支点として反対側が持ち上がろうとします。
横方向の力も縦同様振動してますので、結果として、駒は正面から見て、左右に回転しようとします。

こんな感じで、駒がバタバタしてると、本来の縦方向の力にもロスが出てしまうんじゃないかと危惧されます。
そこで、出てきたのか、西野さんの考案、「横ミゾ」です。
横ミゾを入れることで、どんな効果があるのか?

横ミゾを入れる事によって、ミゾなしの場合の底面での左右回転する力は、横ミゾの上にかかるようになります。
回転の支点は、横ミゾの一番奥の所になります。ここで、横方向の力が縦に変換されることになります。(たぶん、、、)
実際に、ウチダ駒に、横ミゾを入れた試作を試してみましたが、大きな効果がありました。
残念ながら、ミゾの有り無しでの音の取り込みと比較してません。 これは今後の課題です。
頭で考えたことが、既に実証されてるんで、もうゴチャゴチャ考えるのはやめて、実践あるのみです。
今後の課題としては、

1.ミゾの底面からの高さ(Y)
2.ミゾの深さ(X)
3.ミゾの幅(W)
をどう決めるか? となります。
1.高さ(Y)は、
底面に近いと、ミゾ無し同じ事になってしまいそう。
中心から上がいいと思います
2.ミゾの深さに関しては、弦のミゾを超えてしまうと、縦の振動を絶ち切ってしまいそうです。
3.幅に関しては、いまの所、どうなのか考えが湧きません。
根拠なく、細ければ、細いほどいいんじゃないかな~? と思ってます
もう一つ、加工性。
あんなに小さい駒に、正確に横ミゾを入れる。
僕のよーなシロートには、困難です。
いい工具が入りますね。
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ところで、
このネタお考えながら、従来駒をいろいろ眺めていて気が付きました。
普通の駒って、だいたい横をえぐって有りますよね。 こんな感じ

特に、「至高の駒」村山師匠の駒なんかは、激しくえぐってありますよね。
これって、すでに横ミゾの役割を果たしているんじゃないかと、思えてきました。
うーん、すごい!
西野さん、ガンバロー!