二胡の奏法・構造分析・改良・中国の琴行情報、広州・上海ネタなど
by Star Gate Erhu
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高音域(ハイポジション)を 豊かではっきりした音にするには?
なんで、ハイポジションでの音が小さく、倍音構成が貧弱なのか?って話は
これまで何度もしてきました。

これを、どーやってやっつけるか?テーマが重過ぎてしんどいです。
以下、かなりの独断を交えて。

★まず、音が小さい事とその対策について

開放弦の弦長での弦の重さを m とすると、1/4 ポジションでの弦の重さは 
(1/4)m となります。 E=(1/2)・m・v^2 の関係から、1/4ポジションの弦の
運動エネルギーは、開放弦の 1/4 となります。つまり音量も 1/4 です。

また、下図の様に、弦の振幅もハイポジションでは小さい事から、音が小さく
なってしまうことが理解できるでしょう。
b0098997_3585242.jpg
音が小さくなってしまうだけならまだいいのですが、その音が、ノイズ(雑音)に埋もれてしまうという問題が生じます。
これは皆さんも体感しているでしょう。
ハイポジションでの「音のかすれ」た感じ、がこれです。
目的とする音は出ているのですが、その音量がノイズとトントンなので、
こんな感じの音に聞こえてしまいます。
b0098997_3262715.jpg

●対策その1(音をはっきりさせる、キレイにする)
音が小さくとも、ノイズを減らせば、目的とするははっきりとクリアになります。 
こんな感じ↓
b0098997_3264810.jpg

●対策その2(ノイズはそのままに、音量全体を上げる)
SN比は向上するので、目的とする音ははっきりしてきます。 
こんな感じ↓ 
b0098997_3265944.jpg

実際には両者の組み合わせ、ノイズを減らしつつ、音量を上げるという対策を、やっています。

I: ①~③ 奏法上の対策
① 奏法上のチョ~基本。
 できる限り琴皮に対して直角に、弦には直角に弓を動かす。 あたりまえの
 話なんですが、これで最大効率で、目的とする音がでます。(対策2)
② 弓の速度を上げる(弓を大きく使う)
 E=(1/2)・m・v^2 での関係から v(速度)をあげれば、エネルギーも
 大きくなります。 1/4 ポジションでは、 速度 v を2倍にすれば、音量は 
 開放弦と同じになるはずです。
 恐る恐る弾けば弾くほど、音は悪くなる。
 ハイポジションほど、弓は大きくってことですかね?
③ ビブラート(圧力タイプの)をかける。 
 以前の記事にも書きましたが、弓以外に、弦にエネルギーを与える手段
 としてのビブラート。特に、遅い弓の時には効果的

II:楽器の対策 (主にノイズ対策)

④ お手入れ
 松脂に塗りすぎ、弦に松脂がこびりついてる等
⑤ 弓と胴が擦れる音(雑音)を低減させる。
 テンベンの材質を工夫したりして、弓の竹や毛の擦れる音をなんとか
 しようとしてる人もいるようです。
⑥ 駒と控制綿を選ぶ
 これらは、フィルターとしての機能も果たしています。自分の楽器とのいい
 組み合わせを探す
⑦ ちゃんとした二胡を購入する
 って、「あたりまえやろ!」と言われそうですが、、どう調整してもダメな楽器も
 ありますよね。購入時にちゃんとチェックしとかないと、どーしようもないですよね。

★音を豊かにする
ハイポジションでの倍音構成は、原理的にどうしても貧弱になります。
開放弦(440H) と 1/4ポジション(1760Hz) 比べてみましょう。
1760Hz 以上だけを見ると、1/4 ポジションの倍音構成がいかにスカスカ
なのかが明らかです。
b0098997_3271353.jpg
b0098997_327455.jpg
こればっかりは、原理的にどうしようもありません。

そこで、登場するのがビブラート。 ビブラートは、指を揺らして弦長を変化させたり、圧をかけて張力を変化させて、目的とする音の周波数を中心に周波数を変化させています。こんな感じ↓
b0098997_337558.jpg
同様のことが、全ての倍音で起こる訳ですから、上の倍音構成グラフは
こんな感じになります。
b0098997_3275557.jpg
開放弦には遠く及びませんが、スカスカの部分は多少なりとも補間されています。
ビブラートは、弦にエネルギーを与えると共に、音を豊かにするという効果もあるんですね。(あたりまえか。。) 圧をかけるだけのビブラートだと、周波数はプラス方向にゆれるだけなので、効果は半分です。弦長を変化させるものとの組み合わせで、最大の効果となるんでしょう。

■まとめ
楽器のお手入れとか調整以外は、どの対策をとっても、結局は「腕」ですね。
ちゃんとした弾き方をしてないと、どんな道具を使っても、どんな調整をしても、
その効果の比率は小さいと思います。
まずは、ちゃんとした音が出せること。 修行が必要ですね。
わかっちゃいるんだけど。。。
こんなこと書いてないで、練習あるのみです。
by soukichi_uchida | 2010-04-30 13:47 | 二胡うんちく | Trackback | Comments(4)
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Commented by pia-no at 2010-05-03 10:33 x
納得です。
やはりビブラートと弓が上手でないといい音色も
殺してしまいますね~
私の楽器は内弦が鳴りにくいようです。
でも楽器のせいにする前に練習しなくては~
Commented by 鏡深 at 2010-05-03 18:13 x
高音域に強いといわれる、楕円系の二胡はどうなんでしょう? 音色が嫌いなので食指が動かんのですが、実際高音はハッキリ聞こえるのでしょうか?  また、どういう原理で高音を矯正しているのでしょうねえ? やはり経験則?
Commented by soukichi_uchida at 2010-05-09 06:06
鏡深さん、楕円や偏八角二胡に関しては、鎌倉の可行道さんのWEBで解説されてます。http://www.kakodo.org/02NIKO_lub/index02.html んー、、いまいち目からウロコ落ちないんですが、、スピーカーもイヤな反射を減らすために角を減らすって事あるみたいですし。 よーわからん。 です。 
Commented by soukichi_uchida at 2010-05-09 06:08
piano さん、楽器のせいにする前に練習しなくちゃ、なんですが、、、やっぱり、楽器のせいにもしたいっす。(^_^;; 
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